ニット生地は縫える?家庭用ミシンを使った子供服作りのメリット・デメリット《初心者さんにオススメの生地も紹介》
家庭用ミシンだけで洋服は作れるの?
作れます!
ただ、ミシン自体の性能と生地によって難易度は変わります。
では、家庭用ミシンを使った子供服作りについて、詳しく紹介していきます。
初心者さんの洋服作りに必要なミシン
初心者さんであれば、まず家庭用ミシンの購入検討かと思います。
家庭用ミシンでも、1万円前後(安価)~10万円超え(高額)まで、付いている機能によって値段がピンキリで、どれにしたらよいのか悩ましいですよね。
私は、洋服作りを目的としているため、中ランク程度のsinger(シンガー)モナミヌウプラス家庭用ミシンを使っています。
楽天 ミシンジャパン さんで購入、値段は5万円程度です。
ミシンは、楽天・Amazonなどミシン専門ネットショップの口コミを読んでからの購入がオススメです。口コミは、初心者から上級者まで、老若男女問わずあらゆるレベルの方の意見が反映されています。
ミシンができる人と、全くできない人では、つまづいたり不便に思うポイントなどが異なるため、初心者さんは、初心者さんが書いた口コミを中心に読んだほうが参考になります。
また、現在は2万円前後の安価ミシンでも機能が充実しているものがたくさん出ています。安いものでも、極端に低評価のミシンはあまりないので確実に悩むかと思います。
楽天で大人気!ブラザーのミシンはこちらです
一般的に刺繍などの機能が増えればミシン本体の値段も上がりますので、使わない機能があれば除外した商品の中から選ぶとよいかと思います。
- 自動(簡単)糸通し機能
- 自動糸調子調整機能(コンピュータ制御)
- 自動糸切り機能
- 足元でスピード調整(フットコントローラー)
家庭用ミシンを使った洋服作りのメリット・デメリット
次に、家庭用ミシンを使った洋服作りのメリット・デメリットを挙げます。
デメリットについて、更に詳しく見ていきます
デメリット ニット生地を縫うのは難易度高め
Tシャツやトレーナーなど、伸縮性のあるニット生地を使った洋服を作りたい場合、家庭用ミシンでも作ることはできますが、難易度は高めです。
一般的に、下着、Tシャツやトレーナー、襟部分や袖口に使われる、柔らかく伸びる伸縮性のある生地のこと
伸びるニット生地の仕立てには、ロックミシンが適している
ロックミシンは、普通のミシンのような直線縫いはできず、布の端を糸でかがり縫いしていく特徴がある
生地の端が密集した糸で覆われるため、ほつれにくく、洗濯に耐久性があり丈夫(市販品の裏側を見ると分かりやすい)
表に見えない裏側部分まで美しく、本格的な洋服を作れる
ロックミシンはニット生地だけでなく、普通の生地の端処理にも使います。
商品価格は家庭用ミシン以上にピンキリ!価格相場は10万円前後~20万円以上ですが、10万円以下のものでも口コミはよいです。
家庭用ミシンでニット生地を縫う注意点
ニット用の針とニット用のミシン糸を使えば家庭用ミシンでも縫うことは可能です。
ただし大きなデメリットがあります。
- 伸びるので縫いにくい(何度も練習して、生地の特徴をつかむ必要あり)
- ミシン故障の原因になる可能性(一般的に家庭用ミシンではニット生地を縫うことを目的としていない)
筆者は、子供服作りを始めた時点では家庭用ミシンしか持っていなかったので、ニット生地を縫うときは、ニット用針とニット用糸(レジロン)に切り替えて、ガンガン洋服作りをしていました。(単に何も考えていなかった)
その結果、ミシンを2回修理に出しました。いずれもニット地を縫っている時に生じた故障です。幸い補償期間中だったので、送料負担のみで無料で直してもらえましたが、故障は何が原因と考えられるか、2回目に修理に出した際、修理会社に聞いてみました。
レジロンは強すぎるので、あまりオススメできないですね・・
ニットなら、普通のミシン糸を使って「伸縮ぬい」にして縫うとよいですよ。
伸縮性のある直線状の縫い
伸び縮みに強いため、布を伸ばしても糸は切れない(ニット針は使用推奨)
筆者はsingerのミシンを使用していますが、伸縮ぬいについては、説明書でも数行程度の説明のみ。
メインで使うような機能ではないということは分かります。
せっかく慣れてきたところなので、なんとかニット針とレジロン糸を使って縫えないか、様々な種類の生地をを購入し、故障覚悟で検証した結果、家庭用ミシンで縫うコツが分かるようになりました。
- フリース(アウター/コート、ネックウォーマーなど)一番オススメ!
- ダンボールニット(トレーナー向き)
- ジャガードニット(薄手の洋服や、ネックウォーマー、小物などにも)
- 伸びにくいファー生地(毛が抜けるため別の意味で扱いにくい)
こちらのネックウォーマーはジャガードニット×フリースで作りました。伸びにくい生地は簡単に縫うことができますよ!
- ゆっくり縫う(針スピードを速めると故障の原因に)
- 針の動きや音がおかしいと感じたら、即停止
- スムース、天竺ニットなど、薄すぎたり、伸びて丸まったりする生地は扱いが難しいので避ける 針の動きがおかしくなり故障の原因に
- 家庭用ミシンでニットを縫うと故障の原因にもなりかねないため、ニット生地は避けるのも手(ニット以外の普通生地だけで作れる洋服を選択)
デメリット 端処理はジグザグミシンのみ
裏地がない洋服の場合は、裏側は縫った部分の布端が見えた状態になります。
一般的に、その布端がほつれないように処理する必要がありますが、家庭用ミシンでは、ロックミシンのように布の端を糸でかがり縫いしながら処理していくということはできません。
代わりに、家庭用ミシンでは、針を左右に動かしながら縫うジグザグミシンという縫い方で処理をする必要があります。
- 洗濯への耐久性は、ロックミシンを使った処理に比べるとかなり弱い
- ネットに入れての洗濯は必須
以下の写真は、洋服ではありませんが、家庭用ミシンでジグザグミシンをかけて端処理し、何度かネットに入れて洗濯した状態のお弁当袋です。
ジグザグミシンをかければほつれにくくはなりますが、ロックミシンのように布端をくるんだ縫い方ではないので、あちこち糸のほつれが出てくるのは避けられません。
ジグザグミシンで処理するのは裏側なので、見た目が気にならなければ問題ないですが、直接肌に触れるような洋服を作る場合は、着心地に影響が出る可能性があります。
デメリット ミシンの性能によっては厚地(薄地)の生地に注意
家庭用ミシンで使う針は、主に4種類(薄地用・普通地用・厚地用・極厚地用)あります。
生地の厚みによって、針と糸を変えながら縫う必要がありますが、一般的な子供服であれば、以下の針と糸の組み合わせで十分作れます。
布帛(ふはく)生地(主にシャツ、デニム、スカート、ワンピース、パンツなどに使う伸びにくい普通の生地)
- 11番(♯11)普通地用ミシン針 60番手:普通地用ミシン糸
- 14番(♯14)厚地用ミシン針 60番手:普通地用ミシン糸
ニット生地(主にTシャツ、トレーナー、パンツなどに使う伸縮性のある生地)
- 11番(♯11)普通ニット用ミシン針 50番(♯50)ニット用ミシン糸
- 14番(♯14)厚地ニット用ミシン針 50番(♯50)ニット用ミシン糸
家庭用ミシンの場合、特に厚手の生地は、パワー不足で針が進まなくなったり針が折れる可能性があります。寒い冬用として、しっかりとした厚みのある洋服を作る時は注意が必要です。
厚手の普通生地:コーデュロイ、デニム、リネン、オックスなど
厚地ニット系:フリース、ファーなど
買ったばかりの生地の状態だとそれほど厚みを感じなくても、裁断後、生地を縫い合わせていく段階で、布の重なりで厚みが増していきます。
重なった部分に厚みが出る部分を縫うと、針が止まるいうのはよくあることです。針を厚地用のものに変えて、ゆっくり縫い進めても針が動かなくなってしまう場合は、ミシン自体のパワー(性能)不足が考えられます。
反対に、ローンやジョーゼットなど薄すぎる生地も同様です。薄地用の適正な針と糸を使用しないと、生地に穴を開けてしまったり、適正な針と糸を使用しても、ミシンの機能不足で縫うこと自体難しい場合があります。(生地がくちゃくちゃになり針が進まないなど)
薄手から厚手の生地までしっかり縫えるのは、職業用ミシンです。家庭用ミシンで作れるものには限界がありそうです。
初心者さんにオススメの普通(布帛)生地
洋服を作る際は、洗濯した時に縮むことを防止するため、特に綿(コットン)や麻(リネン)など縮みやすい性質をもつ生地は一般的に地直し(水通し)が必要です。
- たらいなどに水を張り、布をたたんで入れ30分~1時間つける
- 軽く脱水して半乾きになるまで干す
- アイロンをかけ、乾かす
ポリエステル、ナイロンなどの化学繊維は縮まないので地直し不要
ウール、シルクなどデリケートな素材は、当て布をしてスチームアイロンするとよい
ちょっと大変なのね。
これから私のオススメの生地を紹介します。
すべて、針と糸の組み合わせは、11番(♯11)普通地用ミシン針 60番手:普通地用ミシン糸で縫えます。
水通し不要で使える生地もありますよ!
綿ポリ生地
地直し不要で、生地購入後すぐに裁断から入れる初心者さんにオススメの生地は、綿ポリ(コットン&ポリエステル)です。季節関係なく使えますが、目が詰まっているので真夏は暑いかもしれません。
薄すぎず厚すぎず、ほどよいハリがあり、バッグや小物から洋服作りまで、何にでも使えます。
パンツ、スカート、ワンピースなど、ハリのある服を作る時にオススメです。丈夫なので、幼児以降のお洋服作りに適しています。
- 水通し不要ですぐ使える
- サクサク縫いやすい
- シワになりにくく、アイロン不要
- 布端がほつれにくく、洗濯への耐久性があり丈夫
- 固くハリがある
丈夫でシワになりにくい綿ポリは、通園通学グッズにもピッタリ♪
生地通販のマルイシ さんの綿ポリがオススメです!
コットンリネン(綿麻・ハーフリネン)生地
コットン/リネンは洋服作りに適した生地ですが、コットンとリネンの良さが合わさったコットンリネンは、シワシワになりやすいリネン100%より扱いやすく、コットンと同じ感覚で使うことができます。市販品でもコットンリネンを使った洋服は数多く販売されています。
ブラウスなどのトップス、スカート、ワンピースなど、ベビー服以降にオススメです。
- 縮みやすいので地直し(水通し)は必須
- 通気性・保温性がある
- 柔らかいけど縫いやすい
- オシャレな生地色・デザインが多い(トレンドのくすみカラー豊富)
- 多少シワになりやすいがお手入れは簡単
- 薄地と厚地があるので注意
コットンリネンとして販売されている生地は、薄く柔らかいものから厚くハリがあるものまで幅広くあります。洋服に適した柔らかい生地を選びましょう。
薄手コーデュロイ
秋冬には、保温性のあるコーデュロイ生地がオススメ。厚手の場合は多少扱いが難しくなるため薄手のほうが無難です。
生地はコットンと、化学繊維のものがあります。
シャツやブラウス、スカート、ワンピース、パンツなど、ベビー服以降にオススメです。(ベビー服に使う場合は肌に優しいコットンのコーデュロイを)
- 毛並みを意識して生地をカットする(生地をなでると毛が逆立つ《ザラつく》方向・となめらかにさわれる方向がある) 一般的には毛が逆立つ方向で裁断(スカートであれば上から下にさわるとゴワっとする方向)
- 薄すぎず厚すぎず縫いやすい
- 多少シワになりやすい
- 保温性がある
薄手コーデュロイを使ったサロペット
薄手コーデュロイを使ったロンパース
友達からのリクエストにより、シャツ用コーデュロイで作ったベビーロンパースです。
おしりのフリルがたまらなく可愛い♪
初心者さんにオススメ!フリースを使った冬用アウター作り
冬用アウターは、フリースを使えば初心者さんでも簡単に作ることができます。
家庭用ミシンで、ニット針とニット糸(レジロン)を使うことは難しいと紹介しましたが、フリースは伸びにくく縫いやすいので、コート(アウター)やマフラーなどの小物作りにオススメです。
- 伸びにくいため初心者さんでも縫いやすい
- 14番(♯14)厚地ニット用ミシン針 50番(♯50)ニット用ミシン糸がオススメ
- 布の重なり部分はかなり厚みが出るためスピードを落としてゆっくり縫う
- 保温性がありあたたかい
- 毛玉になりにくい(アンチピリング)フリースがオススメ
- メインは海外製(日本製はレアだが良質で高価格)
フリースを使ったダッフルコート
上の画像のアウターは、表地国産フリース、裏地ジャガードニット、袖リブニット、フード部分にプードルファーを使ったこだわりのダッフルコートです。裏地にもこだわり、たくさん可愛いと言ってもえらえました♡
オーバーオールは厚地コーデュロイを使用して作りました。
フリースを使ったプーさん風コスチューム
フリースを使ったくま耳つきポンチョコート
下2枚の画像は海外製(主に中国)フリース使用です。日本製は手触りよく良質ですが、高価で手に入りにくいことが難点です。筆者はネットで購入しています。
まとめ
以上、家庭用ミシンを使った子供服作りについて紹介しました。
家庭用ミシンを使った子供服作りには限界があるので、製作に慣れていくとロックミシンや職業用ミシンが欲しくなるかと思います。
使わない機能付きの高額な家庭用ミシンを1台買うのと、コスパよい価格帯の家庭用ミシン+ロックミシン2台セットで買う場合、値段的には変わらないこともあります。
ミシンを選ぶ際は、何が作りたいか、どこまでやりたいかを考えることをオススメします。
参考になれば幸いです。