ネット販売《儲けを出すハンドメイド品の値段の付け方》売れやすい値段はいくらか調べる方法
値段ってどうやってつけたらいいの?
ハンドメイド品のお値段、いくらにしたらよいか悩みますよね。
この記事では、大手メーカーにて経理職(原価計算担当)をしていた経験のある筆者が、ネット販売において儲けを出すハンドメイド品の値段の付け方について、分かりやすく紹介します。
値段をテキトウに付けることのデメリット
値段をテキトーにつけるとどうなる?
儲け(手取り)が分からなくなります!
お客さんから売り上げた分だけお金を使ってしまい、手元にお金が残らないなんてことも・・
売れてるのに手元にお金が残らないな・・と感じる方、これから販売を開始される方は、手取りにできるお金が分かるよう、値段の付け方を考えていきましょう。
ハンドメイド品の値段の付け方
では、ハンドメイド品の値段の付け方をご紹介します。
流れとしては以下の通りです。
- 作品を作るためにかかった材料代
- ラッピング/梱包資材代
- 送料
- 自分のお給料(手数料引かれる前)
( ~ を足した金額)=ハンドメイド作品の販売価格
これから、minneで販売しているアクセサリー作家を例にして、ひとつひとつ詳しく見ていきます。
作品を作るためにかかった材料代
まず、作品を作るためにかかった材料代をピックアップします。
ネットで購入したものは、かかった送料分も考慮して加算OKです。
ざっくりでもよいので、基本ベースで1つの作品を作るのに材料がいくらかかったか算出してください。
- ピアス(キャッチ付き)1ペア 150円
- 天然石ビーズ 2個 200円
- メタルパーツ 2個 100円
- 丸カンやTピンなどその他パーツ 50円
合計 500円
上の場合、1つのアクセサリーを作るのに500円の材料代がかかります。
ラッピング/梱包資材代
作品を発送するためのラッピング代、封筒代、メッセージカード代、テープ代などの梱包資材代を計算します。
正確に出すのは難しい部分なので、ざっくりの計算で大丈夫です。(基本的なラッピングにもお金をかけている場合はできるだけ正確に算出)
オプション設定における特別プレゼント用ラッピング代などは考慮せず、あくまでも基本ベースで考えます。
今回は、ざっくり50円かかると仮定します。
送料
作品を発送するための送料設定は、送料無料(込み)、条件付き無料(一定金額以上の購入で無料など)・送料別など各自様々です。
商品やお客さんの選択によって送料や発送方法の選択が変わるにしても、基本となる送料はいくらになりそうか、調べてみてください。
今回は、minneにて、普通郵便で購入者側が送料負担(送料別)となる作品と仮定し、定形外郵便140円を加算したいと思います。
では、①から③まで計算したお金を全部足して一旦まとめます。
1つの作品を作るためにかかったお金=原価です。
- 作品を作るためにかかった材料代 500円
- ラッピング/梱包資材代 50円
- 送料 140円
合計690円
自分のお給料/手取り(手数料引かれる前)
ここまで計算したら、ざっくりとしたお給料/手取りの金額(手数料を引かれる前)を考えますが、いくらにすればよいのか悩みますよね。
一般的な値段の付け方としては、原価の3倍を販売価格にすれば儲けが出るという考えがありますが、ハンドメイド品は、価値と価格が結び付いた時に売れるので、原価の3倍を販売価格にするという考えにこだわる必要はありません。
ざっくりと「1個作ったらこのくらいの金額は手取りでほしい!」と、金額が決められる方は、前に算出した原価にお給料分を足して、次の項目《最終的な自分の手取り額を調整》にお進みください。
どのくらいの値段に設定したらよいか分からない場合は、出品する販売サイトにて、自分の作品と同ジャンル・同クオリティの人気作品価格を調査し、販売価格から算出することをオススメします。
各販売サイトにおける同じジャンル別価格相場の調べ方
まず、販売サイトにて、自分が出品している商品ジャンルを検索し、人気順/売上順に並べ替えてみてください。
人気順に出てくる作品の数々は、そのサイトにおける《基準(クオリティ・価格)》と考えられるので、売れている作品の価格範囲内でお値段設定すると、筆者の経験上売れやすいです。
今回は、minneでアクセサリー販売という例で見ていきます。
- minneで「アクセサリー」を検索
- 「人気順」に並び替え
- 自分の作品と同ジャンル(天然石を使ったピアス)を中心に調査
- 1,000円~3,000円以内ゾーンが売れていることを確認
何となくでよいので、自分と同じジャンルの作品はいくらくらいで売れているのかということを把握することが大切です。
欲しいものがある時、多くのユーザーは、安心・安定を求め「人気/売上順」に並び替えて検索することが多いので、売れている作品の価格ゾーンに合わせると、違和感なく見比べてもらうことができます。
ハンドメイド作品は、安いか高いかより、見た目と金額の価値がズレているように思える、安すぎる・高すぎる作品はスルーされてしまう率が高いため、予め自分の作品を客観的に見て、同レベルと思える他作品の価格帯に合わせることがコツです。( メルカリなどフリマアプリのハンドメイドでは安さを優先する方も多い)
販売サイトで引かれる販売手数料を調べておく
販売サイトを利用する場合は、お客さんからもらう売上代金から、販売手数料が差し引かれますので、損をしないよう、販売手数料分を考えてお値段を付ける必要があります。
販売手数料に関しては、販売サイトにより計算が異なり、《送料を含めた販売金額》または《送料を含まない販売金額》に対して販売手数料を取られます。
《送料を含めた販売金額》に対して販売手数料がかかるサイト
minne、フリマアプリ(メルカリ、楽天ラクマ、PayPayフリマ※一般的に送料込で販売する)、BASE、STORES、など
ショップ集合型ハンドメイド専門サイト(個人利用・国内における商品販売の場合)
- minne/ミンネ:(商品価格+オプション価格+送料)×10.56%
- creema/クリーマ:商品価格(送料のぞく)×11%
- iichi/いいち:商品価格(送料のぞく)×20%
フリマアプリ
- メルカリ(shopsショップス含む):商品価格×10%
- 楽天ラクマ:商品価格×4.5〜10%(基本は10%)
- PayPayフリマ/ペイペイフリマ:商品価格×5%
独立ショップ型サイト
- BASE/ベイス:スタンダードプラン・決済手数料(3.6%+40円)+ サービス利用料(3%)
- STORES/ストアーズ:フリープラン・決済手数料5%
- 作品を1つ作るためにかかった自分の労力・作業時間を考慮する
- 自分の作品の価値と価格を合わせるには、同ジャンル・同クオリティの人気作品をサイト別に調べて参考にするとよい
- 高すぎず安すぎず、他作品と馴染む価格帯がオススメ
- これまでにかかった①材料代、②梱包資材代、③送料を引いても儲けが出る金額にする
- 各販売サイトで引かれる手数料も考慮して、損をしない金額に設定する
今回の例では、minneの価格帯に合わせて、販売価格を1,600円に設定します。
販売価格1,600円-690円(①+②+③)=910円(④お給料)
- 作品を作るためにかかった材料代 500円
- ラッピング/梱包資材代 50円
- 送料 140円
- 自分のお給料(手数料引かれる前) 910円
①+②+③+④=販売価格1,600円
これで、基本となる値段の算定は完了です。
最終的な自分の手取り額を調整
ここまで計算を終えたら、最終的な手取り額を確認し、調整に入ります。
商品価格1,600円+送料140円(購入者からもらう金額計1,740円)ー 183円(1,740円×minne10.56%販売手数料)=売上1,557円
売上1,557円 - ①材料代500円 ー ②梱包資材代50円 ー ③送料140円 = 867円(最終的な儲け・手取り)
一つの作品を作る労力に対して、この手取りとなる金額が少ないと感じたら、販売価格を上げて調整します。
販売価格を上げると、それに伴い販売手数料の金額も変わるので、再計算をお忘れなく!
商品価格1,800円+送料140円(購入者からもらう金額計1,940円)ー 204円(1,940円×minne10.56%販売手数料)=売上1,736円
売上1,736円 - ①材料代500円 ー ②梱包資材代50円 ー ③送料140円 = 1,046円(最終的な儲け・手取り)
自分の苦労に対し、納得できる手取り金額に設定できればOKです。
ただし、今回設定したお値段は、自分が納得できる金額であって、お客さんが価値と価格が合うと感じて買ってくれるかどうかは分からないという点、ご注意ください。
こればっかりは売ってみないとわからないね!
まとめ
以上、ネット販売における儲けを出すハンドメイド品の値段の付け方について紹介しました。
- 作品を作るためにかかった材料代
- ラッピング/梱包資材代
- 送料
- 自分のお給料(手数料引かれる前)
( ~ を足した金額)=ハンドメイド作品の販売価格
この最終的な手取り金額は、一定収入を超えると確定申告が必要になります。(副業の場合だと、手取りが年間20万円を超えそうなときは要注意!)
値段の付け方の参考になれば幸いです。